「幻想工房」の雑記帳。 管理人の頽廃的でデカダンな日々を赤裸々全裸に記録
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『誰も知らなかった 皇帝たちの中国』 読了
2007-03-29 Thu 02:39
誰も知らなかった 皇帝たちの中国』(岡田英弘・WAC文庫) 読了
chinese-emperor
中国史を語る上で欠かすことが出来ない「皇帝」の存在
史上を代表する5人の皇帝たちにスポットを当てながら、著者の中国史観が展開される
『皇帝たちの中国』(原書房)の復刻版。
私たちが中国に対して抱くイメージは、往々にして先入観や思いこみであることが多い。
そういった思いこみ・先入観に対して、また違った視点を提供してくれる一冊である。
たとえば、
 ・漢民族の定義は?
 ・中国の歴代皇帝たちの大多数は北族(北方遊牧民族系)である
 ・元朝=モンゴル帝国 ではない
 ・清朝は中国の王朝ではない
 ・漢文には文法がない
といった、知っている様で知らないこと。あるいは普通に中学高校の世界史を勉強していたら考えつきもしない事柄について、中国史上を代表する5人の皇帝たちを題材にとって述べてある。非常に興味深い内容ではあるが、『中国文明の歴史』(講談社現代新書)など他の著作と校合する内容も意外と多い。著者の著作をしれなりに読んでいる方にとっては、新鮮味に欠けると感じてしまう可能性は否定できない。ただ、逆に考えれば他の著書に比べて活字がやや大きく、内容も比較的平易である本書は「岡田史観の入門書」としては最適かも知れない。

また、本書は中国論や中国歴史論にのみ終始しておらず、個性的な皇帝たちについてもかなりの紙幅が割かれている。コアな中国史ファンにとってはよく知った事柄かも知れないが、中国史にさほど詳しくはない人にとっては興味深い内容も多いのではなかろうか。
最後に、5人の皇帝たちについてそれぞれ雑感を。

第1章 前漢の武帝
中国史上初の本格的な長期在位皇帝
漢民族や漢文についての考察が中心で、武帝自身の逸話はよく知られたものばかり
第2章 唐の太宗李世民
鮮卑族出身の皇帝たちの集大成 節度使(軍閥)将兵の大部分は非漢族
血塗られたクーデタで即位した李世民だからこそ、子供達の骨肉の争いを避けたかった
この李世民の子の親らしい感傷が、後継者選びを失敗させているのが悲しい
第3章 元の世祖フビライ・ハーン
ユーラシア各地に割拠したモンゴル諸国の盟主
中国皇帝位は数多い彼の称号の一つに過ぎなかった
漢族王朝とされる明朝だが、その諸制度の基礎を築いたのはこのフビライ
第4章 明の洪武帝朱元璋
朱元璋の本当の戦いは、元朝を北方に駆逐してから始まった
中国史上最大の粛正者とされているが、それは明朝成立時に隠然たる力を持った紅巾系人脈との暗闘があったからだった。諸皇子と子飼いの官僚団の成長を待って一気に紅巾系人脈をパージした朱元璋だったが、今度は強大化した官僚団の暴走を制止できなくなる。長年の盟友・李善長を庇いきれなかった老皇帝は、何を思ったのだろうか。
第5章 清の聖祖康煕帝
中国皇帝の理想を体現した康煕帝も非漢族皇帝
満州族が漢民族化したのではなく、漢民族が満州族化した時代だった
究極の名君であった康煕帝も、皇太子との行き違いからこれを廃嫡する
中国史を代表する皇帝たちが、いずれも皇太子に早死にされたり、後継者選定でミスを犯しているのは何だか皮肉だ
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