「幻想工房」の雑記帳。 管理人の頽廃的でデカダンな日々を赤裸々全裸に記録
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『人類進化の700万年―書き換えられる「ヒトの起源」』 読了
2007-03-24 Sat 03:52
『人類進化の700万年―書き換えられる「ヒトの起源」(三井誠・講談社現代新書) 読了
jinrui7million
「知ること」の楽しさを再認識させてくれる
21世紀初頭現在の人類学を判りやすくまとめた、「新書のお手本」
実は、オジオンは人類学をちょっぴりだが勉強していたりする。
恥ずかしながら、きっかけは「ジーンダイバー」だったりするのだが・・・(お
作中で語られた「多地域進化説」と「単一起源説」や、「イヴ仮説」などに胸を躍らせ、人類学の講座を選択し、レイモンド=ダートや、彼の学統に連なる欧米研究者の論文を読むのはなかなか楽しかった。まぁ、考古学が優勢な大学だったので担当教授は形質学への拘り(考古学プロパーでは、形質学的手法しか採り得ない)から、遺伝子解析中心の「イヴ仮説」には批判的だったりしたのだが・・・
閑話休題。
学校の歴史教科書は、きまって猿人→原人→旧人→新人の進化からはじまる。が、この「進化論教」も間違いだらけだったりする(進化=生物として高次化 との誤解が多すぎる)。そもそも人類の歴史はかほど単純なものではない。
生物の進化の歴史は、いわば可能性の模索の連続である。その途上で、潰えてしまった種の方が圧倒的に多い。人類とてその例外ではない。様々な環境へと適応しながら、私たちが現生人類がここまでの繁栄を築けたのは、偶然に依るところが大きい。そういった人類進化の歴史について、最新の学説や発見について、本書は簡潔にだが非常に判りやすく述べている。他にも年代測定法の基礎的な原理についても実に簡潔に解説してある。「絶対年代」(相対年代の対義語)を「数値年代」と言い習わしている、というのに隔世の感を憶えたりしたが(^^;)
また、基礎知識の紹介順にも配慮を感じる。本書の「判りやすさ」は、この構成の妙に依るところも大きいのではないだろうか。難しいことを難しくかくことは、学者先生なら誰だって出来る。だが、自称"素人"である新聞記者の著者の手による本書は本当に判りやすい。この分野に関心のある中高生などにも文句なしにオススメできる恰好の入門書。まさに「新書のお手本」だと言えるだろう。
他にも、日本人のルーツ探し(ブリヤート説が最近の流行らしいけど)や、チンギスハンの子孫について、「酒豪遺伝子」と「下戸遺伝子」について、牛乳を分解する酵素についてなど、かなり興味深いトピックスの目白押しなのだが、そのいずれもサラッと流してある。やや物足りなさも感じるが、これは別の専門書を当たるべきなのだろう。
「よし、いっちょもう一回勉強してみるか!」という気にさせてくれる一冊。
私の様に「半囓り」「出戻り」の方にもオススメできる、なかなかの好著だ。
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<<読書報告 07年03月23日 | 「幻想工房」雑記帳 | 『つどうメイク・マイ・デイ』 読了>>
この記事のコメント
>日本人のルーツ探し
う~ん、ブリヤート説知らなかったです^^;
もう昔みたいに難しいことは考えなくなったので、こういった本も読まなくなりましたね。

昔竹内均氏の「ムー大陸から来た日本人」を読んで、日本人のルーツを太平洋の文明圏に求める説がかなり説得力があると思ったのですが、何分昔のことなので、よく覚えていません。
ちなみに、タイトルはムーとか書いてありますが、内容は、ムー大陸があったとかではなくて、環太平洋の文明圏のようなものがあったとする説だったような気がします。

しかし、こうして知らない説がどんど出てくると、
本当に本を読まなくなったなぁ・・・とか
勉強しなくなったなぁ・・・とか
自分が駄目人間になっていくのを実感できますね(-_-;)
私の頭の中の知識は、かなり昔の状態で凍結していますから^^;
2007-03-24 Sat 14:40 | URL | 南斗 #I4t1ZHtI[ 内容変更]
>>日本人のルーツ探し
ちなみに、ブリヤート説とは言うものの、ブリヤート人ばかりということはありません。従来の説の通り、太平洋地方からの移住者と思しき集団も居ます。かなり複雑な混血を繰り返して「日本人」が形成されてきいるのが判ります。
>>本を読まなくなると・・・
私も、「ライトノベル」>>>(越えられない壁)>>>「読書」状態です。
てか、ものすごい勢いで「アニメとか漫画とか」の記事数が増殖中です。
どんどん、人としてダメになってきてますね(-_-)
2007-03-24 Sat 22:15 | URL | オジオン #-[ 内容変更]
人類学にもお詳しいとは
話題の多さと面白さで大変に魅力的な本でしたね。
オジオンさんのおっしゃるとおり、「新書のお手本」だと思います。

新書なので私のような半可通にはちょっと物足りない点もありましたが、そもそもそんなことは新書に求めてはいけないことでしょうからね。

こういった、面白い上で知的好奇心を刺激する本は貴重ですね。
出版されたことと巡り会えたことの両方を嬉しく思います。
2007-03-25 Sun 00:45 | URL | すかいらいたあ #-[ 内容変更]
>>人類学
まさに「手遊び」状態ですよ(^_^;)
詳しいって程じゃないです。
もちろん、世間一般の人よりは幾分かは知識が多いでしょうが。
著者も指摘したとおり「人間は本当に様々な仮説を考える生物だ」という」ことだけは間違いないと思います。

様々な仮説や学術論争について言及しながら、詳しい解釈などはあえて触れていない感じでしたね。たぶん、そういうことは全部割り切って、本当に入門用に特化した構成を意識しているのだと思います。
 「そこもっと突っ込んで!!」
と言いたくなるんですけどね(^_^;)
2007-03-25 Sun 11:35 | URL | オジオン #-[ 内容変更]
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人類進化の700万年三井 誠著講談社 (2005.9)798評価:☆☆☆☆ 最新の人類学について非常によくまとまっており、新書に期待されている役割を見事に果たしている、というのが読んでいるうちにも感じられた。 …
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