「幻想工房」の雑記帳。 管理人の頽廃的でデカダンな日々を赤裸々全裸に記録
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『項羽と劉邦の時代 秦漢帝国興亡史』 読了
2007-03-20 Tue 04:38
『項羽と劉邦の時代 秦漢帝国興亡史(藤田勝久・講談社選書メチエ) 読了
chin&han
人物論で語られがちな楚漢戦争をシステム論の切り口で読み解く
歴史ファンにとっては刺激的な試み
秦の始皇帝による中国統一。
その死後の項羽と劉邦による楚漢戦争については、リーダーの資質や個性の問題に集約されがちである。事実、構成の人間は『史記』に着想を得た多くの創作物から、この時代を舞台としたドラマチックな天下争覇のストーリーが脳裏に焼き付いている。そういった創作物を代表するのが『項羽と劉邦』(司馬遼太郎)で、我々はそれら描かれた人間ドラマをさも史実の様に捕らえているが、果たしてそれで正しいのか。
そういった個人の資質や才覚に傾斜した歴史評価に疑問を投げかけるのが著者の最大の目的だったのではないだろうか。多少なりとも歴史を囓っている人間なら判ることだが、個人の資質で左右されるほど歴史は甘くない。「驕れる者は久しからず」的な衰亡論や、「優れた指導者に恵まれた」的なリーダー論だけでは歴史は読み解けないのは自明である。そういう意味で、楚漢戦争を東方的な統治システム(楚)と西方的な統治システム(秦漢)の相剋であった、とするこの本のテーマはかなり魅力的な問題提起である。
ただ残念なことに、両者のシステムの優劣については歯切れの良い解答が提示されていなかったりする。歴史上の勝者である漢帝国が、最終的には秦の統治システム(郡県制)を採用していることを挙げているのみで、その点についてはやや拍子抜けかも知れない。
しかし、『史記』の記述そのものに対する考察や、その他の史料からの考察、そして最新の考古学的な新発見から得られた資料を援用し、この楚漢戦争をシステム論や、あるいは地方割拠から統合へと移行しようとする中国社会史として捕らえ直そうとする試みは、本当に読ませるものを感じる。よくも悪くも人物論に陥りがちだったこの時代に新しい視点を提供してくれたのは大きな功績だった評価できるのではないだろうか。
別窓 | 読書 | コメント:2 | トラックバック:0 | top↑
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この記事のコメント
やだ、やだ、やだ。
劉邦は度量が大きくて、執念深かったから、天下人になったんだい。
という、わすの考え方は間違ってますかw
2007-03-22 Thu 22:22 | URL | げばらの髭 #-[ 内容変更]
>>劉邦が度量が大きくて執念深かった
執念深かったのは間違いないですが、よく指摘される「劉邦の度量」については、正直やや怪しい気がします。いくつか論拠を挙げますと、
 1.「将の将たる器」などの発言はいずれも天下平定後
 2.韓信らの真価に気づき、推挙したのは沛以来の側近達
などでしょうか。
彼はどちらかというと傲慢な性質ですし、人物を見る目も凡人以上ではありましたが、歴史上の他の有能な為政者たちと比べるとやや見劣りする様に思います。

ただ、対抗者の項羽は劉邦以上に人を見る目にかけていましたし、度量にも欠けていました(年齢の若さ=社会経験の乏しさに起因するものかも知れませんが)から、そういう意味では、ご説も間違ってはいないと思います。
2007-03-22 Thu 23:17 | URL | オジオン #-[ 内容変更]
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