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「幻想工房」の雑記帳。 管理人の頽廃的でデカダンな日々を赤裸々全裸に記録
『陰陽ノ京 巻の五』 読了
2007-03-18 Sun 04:22
『陰陽ノ京 巻の五』(渡瀬草一郎・電撃文庫) 読了
onmyou5
実に4年ぶりに刊行されたシリーズ最新作
この独特の読後感。
これぞ渡瀬作品、これぞ「陰陽ノ京」シリーズ
「空ノ鐘の響く惑星で」シリーズが好評のうちに完結したご褒美だろうか、実に4年間も停滞していた渡瀬先生のデビュー作「陰陽ノ京」シリーズの最新作が満を持して刊行された。「空ノ鐘の響く惑星で」シリーズや、「パラサイトムーン」シリーズもそれぞれの味わいがあるがやはり渡瀬作品の真骨頂といえるのは「陰陽ノ京」シリーズだと思っている。
ストーリーはいつもの一話完結型。
晴明不在の京で、天狗が関わったと思しき強盗事件が発生する。
調査に当たった賀茂光榮からの依頼を受け、愛宕の天狗たちにの元に出向いた保胤だったが、晴明邸に残された時継たちに山賊達を束ねる妖の鶴楽斎と天狗の猛丸の魔の手が迫り・・・
今回メインをはるのは安倍晴明一家
「陰陽ノ京」シリーズの晴明は創作物の中ではありふれた貴公子然とした晴明ではなく、非常にクセが強くおっさん体型の豪傑で非常に味のある人物に仕上がっていて、かなり好みだったりする。ただし、今回は晴明自身はほとんど登場せず妻の梨花、子の吉平・吉昌が中心であるが。
これまでは酒乱キャラ「愛らしい人妻キャラ」として人気を集めてきた梨花だが、道士・芦屋道満の娘らしく、とんでもない秘密が隠されていたことが判明。それにあわせて、「母は強し」を実感させられた。吉平・吉昌兄弟も良かったが、今回はやはり素直に梨花(とその母)を讃えた方が良いだろうか。また、そういった「母の強さ」に素直に感じ入ったり、鶴楽斎や大妖"天一貴人"にさえも臆せず自然体で語りかけることが出来る時継もなかなか良かったりする。
正直、主人公の保胤の活躍はかなり控えめ。主人公やその友人達が敵をバッタバッタとなぎ倒す様な読み手にカタルシスを感じさせる様な展開もない。文章も丁寧ではあるがかなり地味だし、やはり大ヒットは望めそうにない作品だと思う。
ただ、敵役として登場する鶴楽斎や猛丸、大妖"天一貴人"にしても本当に作者に愛されている。主人公達に倒されるために登場しているのではなく、どのキャラクターにもそれぞれの物語やドラマがあり、この作品で一応の終止符が打たれている。物足りない、と表する向きもあるだろうが、この優しい読後感は渡瀬作品独特だと思う。

しかし、私生活における保胤のヘタレっぷりは筋金入りだなぁ~
てか、時継にさっさと教えてやれよ「子供のつk うわ、何をすくぁwせdrftgyふじこlp
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