「幻想工房」の雑記帳。 管理人の頽廃的でデカダンな日々を赤裸々全裸に記録
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『ジオン軍の失敗』 読了
2009-06-17 Wed 15:12
『ジオン軍の失敗』(岡嶋裕史・アフタヌーン新書) 読了
zeon
ジオンの敗因は「ジオン脅威のメカニズム」
「ガンダム」一年戦争に敗れたジオンの機動兵器群から学ぶ、製品開発の失敗例
帯の煽り文句は
 「ガンダムから学ぶ失敗の本質。 製品開発に関わるすべての人へ。」
この煽り文句は、ちょっとどうかとは思ってしまう。
国と国が持てる力をぶつけ合う総力戦では、一方が飛び抜けて高い技術水準に達してでもいないかぎり、機動兵器の性能差だけで戦局が覆ることは稀だと言える。少しでも冷静でものが判っている人なら、この煽り文句は逆に胡散臭く感じるかも知れない。
まぁ、ガンオタである私には無関係な話だが(え

ただ、読み進めていくと著者はジオンの敗因の主要因が戦争指導の拙劣さにあることをしっかり認識しているので、そのへんに関して無理解な方ではないので一安心である。で、能書きはこのくらいにして、中身の紹介を

序章・終章などをのぞけば、全11章構成。
ジオンを代表する名機・傑作機がずらりと並ぶ(一部例外あり)、豪華ラインナップ

 第1章 MS-06F ザクII
 第2章 MS-O6R 高機動型ザクシリーズ
 第3章 MS-07 グフ
 第4章 MS-O9R リック・ドム
 第5章 MS-14 ゲルググ
 第6章 MSM-03 ゴッグ
 第7章 MSM-04 アッガイ
 第8章 MSM-07 ズゴック
 第9章 MAM-07 グラブロ
 第10章 MA-08 ビグ・ザム
 第11章 MSN-02 ジオング

それぞれの機体について、開発背景や劇中での活躍、開発プロジェクトの適否などについて触れた上で、各章の最後に「suggestion」という形で、ビジネス書らしい提言がまとめられている形式。ガンダムファンとしては、懐かしくて読んでいるだけでニヤニヤ出来るのだが・・・ 二点ほど問題点がある。

 1.細かい派生機について、図がないので従来機との差異が判りにくい
 2.資料の選定・解釈が恣意的である

いずれも、致し方ない面があることは想像できる。
1.については、恐らく紙幅の都合上であろうし、2.についてもある程度は仕方のない部分がある。アニメなどの映像資料は「戦争」よりは「戦場」「戦闘」を描写する点に重きを置いているし、それ以外の文字資料はMG(ガンプラ)のインストなどをのぞけば、著しく主観の入り込んだ内容のものが多い。それらを整合していくのは大変骨の折れる作業であろうから、ある程度は仕方ないのだが・・・ ただ、「ズゴックはコストが高い」と言われても、どの程度高いのか納得しかねる部分があるし、そもそも「コロニー落とし」作戦についてはまともな映像資料が残っていない(=アニメでは描写されていない)のだ。このブリティッシュ作戦の経過についてや、作戦の結果としてジオンが多くの作戦機(ザク)とパイロットを失ったことを戦闘・工作両面をこなすデュアルロールなザクの責任に帰する様な論調であるが、これは純粋に作戦術上の誤謬(そもそも、政略・戦略あらゆる意味で間違いだらけだが)によるものであり、少なくともこの点に関しては工業製品としてのザクには瑕疵がないと思うのだが・・・
ただ、著者も2.については自覚しているのだろう、と思わせる部分が非常に多い。書籍の性質上、ジオンの機動兵器のどこかに欠点を見いだす必要があるのだし、ジオンがやたらとMS・MAの機種を増やしたがるのは「玩具会社の商業的都合です」とは書けない訳だし。
その他、映像資料から推し量れることや、その他の文字資料との整合については各章末尾の註釈で細かく解説を加えてある。特にジオンの戦争指導の是非に関しては冷静・客観的な内容で、いずれも納得できるものが多かった点を付記しておく。

本文の内容はやや強引な内容が目立つのだが、各章最後の
 「suggestion」そのものは、文句なしに正鵠を得ているものが多い
いくつか例を挙げれば、
 「成功体験が長期的な失敗を誘発する」(ザクII)
 「未完の要素を残しておくことが重要」・「未熟さは進化する余地」(グフ)
 「単体で優秀な数値を誇っても、時期を失した製品は成功しない」(ゲルググ)
 「低コストは魅力的な訴求要因だが、第一選択すべき要素にはなりえない」(アッガイ)
などがあろうか。
まぁ、この「suggestion」が必ずしも各機動兵器の欠点である、とは言えない部分もあるが。
そういう意味では、優秀なビジネス書であると言えるかも。
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