「幻想工房」の雑記帳。 管理人の頽廃的でデカダンな日々を赤裸々全裸に記録
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | top↑
『中央アジアの歴史群像』 読了
2007-08-14 Tue 23:32
『中央アジア歴史群像』(加藤九祚・岩波新書) 読了
middleasia
為政者、征服者に偏りがちな中央アジア史にあって、文化人にスポットを当てる
異端ながら、とっつきやすくよくまとまった入門書
アレクサンドロス大王の遠征以来、二千数百年に渡って幾多の民族・王朝・征服者たちが覇を競ってきた中央アジア。日本の「世界史」は中国史を中心とする東洋史と、ヨーロッパ史を中心とす西洋史に偏重しがちであり、中央アジア史そのものの認知度が低い。そして、なけなしのその認知度も、ほとんどはアレクサンドロス、チンギス・ハン、チムールといった征服者たちのみに集中しているのが現状で、中央アジア史において活躍した彼ら以外の歴史人物をスラスラと挙げられる日本人は、相当の歴史好きであってもほとんどいないであろう。
実は、本書を購入するにあたって私も、そういった征服者たちの事績についての簡略な入門書を欲していたことは認めなくてはならない。「歴史群像」というタイトルからそういった内容の書籍を期待していたのだが、良い意味で期待を裏切られた感じだ。もちろん、本書においてチンギス・ハンやチムール、バーブルといった征服者たちにもそれなりに比重がおかれている。しかし、何よりも著者が伝えたかったことは、戦争と征服のみで語られがちな中央アジアの文化史である。これは、ムガル帝国の建国者であるバーブルを、軍事指導者や政治家としてよりもむしろ文化人として捉え、随所に彼の著作を引用していることからも窺える。そういう意味で本書の構成は中央アジア史の入門書でありながら、「中央アジアに文化人なし」という固定観念を打破するに足るものがあると言えると思う。以下に章立てを列挙するので、興味を持たれた歴史好きの諸兄には是非一読を薦めたい。

第1章 古代の栄光と悲惨
 一 スピタメネス アレクサンドロス大王に抵抗したソグド人
 二 アラブの侵入と中央アジア住民の抵抗
第2章 ペルシア、イスラム文化の時代
 一 ルダギー ペルシア詩人の父
 二 イブン・シーナ 百科事典的大学者
第3章 征服者の時代
 一 イナルチク チンギス・ハンのモンゴル軍に抵抗したオトラル城主
 二 チムール 中央アジアの覇者
 三 バーブル ムガール帝国の創始者
第4章 シルクロード文明の精華
 一 アリシェール・ナワイー ウズベク文学の祖
 二 マハトゥム・クリ トルクメニスタンの民衆詩人
終章  北方の巨人の脅威
  ロシアの南下と中央アジア
別窓 | 読書 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<<読書報告 07年08月14日 | 「幻想工房」雑記帳 | 本紀一上 光武帝紀第一上 その01>>
この記事のコメント
top↑
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
top↑
| 「幻想工房」雑記帳 |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。