「幻想工房」の雑記帳。 管理人の頽廃的でデカダンな日々を赤裸々全裸に記録
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『冬の巨人』 読了
2007-06-29 Fri 03:00
『冬の巨人』(古橋秀之・徳間デュアル文庫)
wintergiant01
古橋マジックによる、"破滅と再生の寓話"
良質なストーリーだが、惜しいかなあまりにボリューム不足
まず、私は古橋秀之先生をよく知らない。
ライトノベル世界だとかなり知られた作家だけど、実はほとんど作品を読んだことがないのだ。唯一、読んだ経験のある『ある日、爆弾が落ちてきて』は傑作だと思ったが、どうやらこれは本来の古橋節ではないらしい。
この『冬の巨人』が古橋節だとしたら、これは結構凄いかも知れない。
終わらない冬、果てない凍土と氷原の中を休み無く歩き続ける巨人"ミール"、そして"ミール"の背に形成された人間たちの世界、貧富で分断された都市、"終末"を予見しながらも老いて力尽きそうな巨人にしがみつく人々と、スチームパンクの香りが漂う実に素晴らしいファンタジー世界を構築していると言える。この異世界で繰り広げられる、主人公・オーリャやディエーニン教授らの冒険は、まさに王道的な少年冒険譚。この世界設定の妙を楽しむだけでも、この作品を読む価値はあると思う。
ただ、逆に惜しい部分が二つ。
一つ目は、登場人物たちのパンチ力が弱いこと。人物造形が拙い訳では決してない。脇を固めるキャラクターにしても、厳格だが優しさも兼ね備えたザボーティン、奔放だが純真さを備えたジェーニャ(ザボーティンの娘)、一見石頭だが、誰よりも厳格な信仰者で誰よりも人間くさいウーチシチなど、どのキャラクターもなかなか味があり、かつ人格も安定しているのだがそれだけに破壊力がない。個人的にはこういう人物造形は大好きだが、残念ながらセールスでは良い方には働かないだろう。
そして二つ目は、全てについて回ってくる圧倒的なボリュームの不足
本当に魅力的な異世界ファンタジーとキャラクターたちであるが、それを表現するに足るボリュームが足りていない。これは中盤のオーリャによる雲海飛行あたりから現れだし、クライマックス直前の「終末党」の活動など、明らかに駆け足端折り気味だった。クライマックスへと向かうあたりと、各キャラクターたちの心情描写にもっとボリュームを割けたなら、それこそ文句のつけようのない傑作になっていたと思うのだが・・・ それが残念でならない。
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