「幻想工房」の雑記帳。 管理人の頽廃的でデカダンな日々を赤裸々全裸に記録
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『黄昏色の詠使いII 奏でる少女の道行きは』 読了
2007-05-25 Fri 01:23
黄昏色の詠使いII 奏でる少女の道行きは』(細音啓・富士見ファンタジア文庫) 読了
eve02
色彩と旋律の魔術師"名詠士"たちが奏でる、ファンタジーシリーズ第2巻
大絶賛した、第1巻から4ヶ月で続編上梓。
さらに2ヶ月後には第3巻の発売も決定おり、人気シリーズとして定着してきつつある、と思いたいところ。作品世界の精緻な美しさについては1巻のレビューで言及しているので、そちらを参照願いたい。また、こちらも1巻のレビューで言及したが、キャラクターがやや稀薄である点を補う意図があったのか、この2巻はネイトら名詠士の養成機関であるトレミア・アカデミー夏期校外学習を舞台とし、ネイトやクルーエル以外のクラスメイトたちをメインに据えた「クラスメイト編」・・・になる予定だった様だが、実際は「エイダ編」と呼ぶしかないくらい、他のクラスメイトたちは存在感が稀薄だった。もちろん、エイダは第1巻でも比較的目立つクラスメイトで、この「エイダ編」は当初から織り込みずみだったのは確かだろうが、1巻では意外と活躍していたミオなどは完全に存在感を失ってしまっているのが・・・ 
ただ、夏期校外学習に盛り上がったり、夏の浜辺でバカンスを楽しむクラスメイトたちはなかなか良かったかも知れない。・・・ネイトくん、ちょっと俺と替わってくれないかな~(最悪だ
で、その生徒たちに同道しながらも、名詠式の教師たちは前回の事件の元凶となった"孵石"(エッグ)を開発したケルベルク研究所への調査に赴き、一連の事件の元凶が3年前にあることを突き止める。"虹色名詠士"カインツが全ての名詠色をマスターしたのも、3年前。作品世界の掘り下げも怠りなく進んでおり、今後の展開に期待を持たせてくれる。
しかし、上記したとおり、この2巻のメインはあくまでエイダ。鮮やかな色彩を"触媒"(カタリスト)として"讃来歌"(オラトリオ)で奇跡を呼ぶ名詠士とは異なり、エイダは名詠された奇跡を送還する、"祓名民"(ジルシェ)の生まれ。"祓名民"として天賦の才に恵まれながら、真逆の名詠士を目指すエイダの苦悩、父親と家門への反発、無力な己への苛立ちなど、実によく描かれていると思う。クライマックスは、"祓名民"としてのエイダの獅子奮迅の活躍と、機転を利かせた逆転劇はカタルシス充分。
 「いくぞ真精! 我を以て、祓戈の到極者(ジルシュヴェッサー)が故と知れ!」
は彼女の万感が篭もった言葉であると同時に、ここまで本を読み進めてきた読者の昂揚した心とピタリと一致していた、とまで書くと褒めすぎになるだろうか。
戦いの果て、艱難をともにしてきた祓戈(ジル)を失って父と母の待つ家へと還えるエイダ。それを言葉は不器用ながら、暖かく迎える父の昔話でラストを迎えており、美しい余韻を引く構成となっている。
もともと繊細な表現に関しては光るものがあったが、なかなかどうしてバトルや熱い展開も良く書けていると感じた。物語の中心に位置する、と思っていたネイトやカインツが目立たないのは気になるが、確実に表現の幅が広がっていることを感じさせてくれる、なかなかの良作。続編にも是非期待したい。
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